騒音規制(noise regulation)

航空実用事典 
http://www.jal.co.jp/jiten/dict/p217.html より

航空輸送がジェット化された1960年頃から各国で航空機騒音が新たな公害として出始めた。
 わが国では1963年10月から実施された東京国際空港での深夜便発着禁止がそのはしりとなり,続いて1967年に騒音防止法が施行された。
 騒音測定値に時間帯による重み付けをするWECPNLの考え方が導入されたのがうなずける。
a.
米国 FAR 36 standard:
 世界で初めて規制値を設け,発生騒音がこれを超えるジェット輸送機の新造を許さないとする騒音証明制度(noise certification)の第1号となったのは,米国の連邦航空規制第36条(FAR Part 36)で,1969年12月に発効している。

 規制の対象は,最大離陸重量75,000lb(34t)以上の亜音速ジェット機で,かつ1967年1月1日以後に型式承認の申請をしたものに限られた。騒音測定の位置は図1-6-46の*印の地点が指定され,騒音基準値(許される上限)が示された。

 図1-6-47の点線はこれを図化したもので飛行機の離陸総重量に対して,離陸騒音(take-off noise level)および進入,側方騒音(approach & sideline noise level)が定められた。

 FAR 36はその後いくたびか改定された。対象機種が増し,騒音基準値も双発機,3発機,4発機に別々に定められ,かつ厳しくなっている。
 また最初は規制対象外であったDC-8,707,727,737をはじめプロペラ機についても対応が決められたが,この中には騒音基準に合わせるための改修が困難,と認められた機種に対する除外規定も含まれている。

 騒音基準は今後も改定が予想されるが,現在のものは1977年10月改定のもので,騒音測定点も若干変更され,図1-6-46に( )内で示した値となっている。
 基準の適用はstage 1〜3の三つに区分され,stage 1は1987年中に図1-6-47の点線の基準を達成すべきものとして,DC-8や707に代表される古い設計の機種が対象となっている。

 stage 2は図1-6-47の点線の基準(1969年のFAR 36)が達成可能な新型機のうちstage 3に該当する以外のもので,騒音基準値をエンジンのバイパス比2以下と2以上とに分けて定め,機種は727,737,747,DC-9,DC-10,L-1011と現在の稼働機の大部分をカバーしている。

 stage 3は図1-6-47の実線で示される最も厳しい基準で,1978年FAR 36と呼ばれ,1975年11月5日以後に型式承認を得た機種,すなわち737-300,757,767MD-80,A300,A310,A320をはじめその後申請する新型機が対象となっている。


 〔騒音 noise〕 
 航空機騒音は離着陸(および低空)での運航騒音と,整備や点検でエンジンを試運転するときの地上騒音とに分けられる。
 運航騒音はさらにエンジンから出るエンジン騒音と,機体の風切りによる空力騒音(aerodynamic noise)とに細分される。

 (1)
   騒音の単位と騒音コンター(noise level & noise contour)
    音の強さ,大きさを表す単位としてdB(デシベル)があるが,これに感覚量(特に周波数特性と強弱)を加味したものとして,dB(A)またはホン(A)があり,普通使われる騒音計はこの単位を用いている。
 しかし航空機騒音の評価については,ジェット機の登場とともに広い周波数にわたる騒音を正確に表現するため,以下のような単位が開発された。
   a.

感覚騒音レベル(PNL:perceived noise level):

 測定されるジェット機騒音について,定められた「うるささ図」を利用して
各周波数幅(オクターブバンド)ごとに積算する,という複雑な手順が採られ
る。航空機メーカーは,その生産機の騒音データをこのPNdBで表し,また多
くの空港でもこの単位で運航騒音の監視を行っているため,現在は航空機騒音
の表現方法として一般化している。

  b.
実効感覚騒音レベル(EPNL:effective perceived noise level):

 感覚騒音レベル(PNL)は瞬間の,それも最高値を問題にしたものである。
ところが騒音に対する嫌悪感はその持続時間とともに増大する。航空機は通過
高度によって音の持続時間が変化するため,より正確な「うるささ」として表
現するためには,その要因を取り入れなければならない。またタービン機は,
その騒音中に顕著な特異音(ファンから出るキーンという不快な音)を含むた
め,この点も補正を加える必要がある。これら二つの要素を盛り込んだものが
EPNLであってEPNdBで表す。

 また騒音レベルに繰り返し回数の効果を考え,騒音量の総和を,観測された
期間について時間平均をして求められる騒音を,等価平均感覚騒音レベル
(ECPNL:equivalent continuous perceived noise level)という。

   c.
加重等価平均騒音レベル(WECPNL:weighted equivalent continuous
perceived noise level):

 空港周辺の騒音の影響は,1機による騒音の大きさ,うるささというより
も,それが繰り返し反復するところにある。ICAOでは回数を一日の時間帯別
による重みづけをして計算に入れた騒音の表現方法としてWECPNLを採用し
た。
 このような単位によって空港周辺への航空機騒音の影響を区分し,土地の使
用方法規制や各種周辺対策を行うもので,わが国でも環境庁告示の航空騒音に
関する環境基準にはこの単位が用いられている。厳密な意味での計算は相当複
雑になるが,実用上は次の式で求められる。

WECPNL≒+10logN−27
   :1機ごとのピークレベルの1日パワー平均
N=N1+3N2+10N3
N1(07:00〜19:00の機数)
N2(19:00〜22:00の機数)
N3(22:00〜07:00の機数)

   d.
騒音コンター(noise contour):
 平面的な騒音の分布を表現する方法で,航空機騒音の場合dB(A),WECPNL
などの単位で描かれる。地図の等高線や天気図の等圧線と同じように,同じ騒
音レベルの点を結んだものである。

 民間空港では,航空機が一定の航空路を一定のスケジュールで運航されるた
め,行き先別の機種,その基礎騒音特性,便数,使用滑走路,飛行経路が与え
られればWECPNLコンターを計算できる。この計算には膨大な量のデータを  扱わなければならないので,通常コンピューターで処理される。
 この方法で将来の騒音コンターを予測することは,騒音軽減運航方式の設定,空港周辺の土地利用計画など航空機騒音対策には欠くことのできない作業である。図1-6-45は747-200の騒音コンターの例である。

  図1-6-45 747-200の騒音分布(離陸重量700,000lbs)

(図はいずれも省略)

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