嘉手納ラプコンの返還に関する質問主意書

米軍嘉手納基地の進入管制(嘉手納ラプコン)の返還に関する質問主意書
                    2006(平成十八)年二月二十日提出
                    提出者  (日本共産党)赤嶺政賢

米軍嘉手納基地の進入管制(嘉手納ラプコン)の返還に関する質問主意書

 二〇〇五年十月二十九日、日米安全保障協議委員会で「日米同盟:未来のための変革と再編」(以下「中間報告」という。)と題する報告について合意がなされた。

 同報告は、米軍嘉手納基地の進入管制(以下「嘉手納ラプコン」という。)について、「勧告」しているが、返還のプロセスを明確にしていない。

 嘉手納ラプコンの空域は、嘉手納飛行場を中心に半径五〇海里、高度二万フィート及び久米島空港を中心に半径三〇海里、高度五千フィートの広大な空域である。

 嘉手納ラプコンにおいては、嘉手納飛行場、普天間飛行場、那覇空港等の到着機、出発機に対して進入管制業務を行っている。

 このように那覇空港の進入管制業務が米軍によって行われているために、これまでもニアミス等が発生しており、しかも、民間の航空機は、米軍機の飛行経路を避けるために、同空港の離発着の際に、海上約五、六〇キロを、高度三〇〇メートルの低空で飛行しなければならない。このために乱気流などが発生した場合には、大惨事につながる可能性もあるとして、嘉手納ラプコンの米軍優先の航空管制が、国会で何度となく議論がなされてきたところである。

 今日もなお、沖縄の空は、実質的に米軍の「管轄」下にあり、空の主権が侵害されていると言わざるを得ない。

 こうした状況を許している政府の姿勢に対して厳しく抗議するものである。
 政府は、民間航空機の安全確保のために嘉手納ラプコンの早期返還を米国政府に強く要求し、その実現を図るべきである。

 こうした立場から以下の事項について質問する。
(質問) 一 
「中間報告」では、「嘉手納のレーダー進入管制業務の移管プロセスの進捗を考慮する」と「勧告」しているが、どのようなことか具体的に説明されたい。
(答弁) 一について
 日米両政府は、平成十七年十月二十九日に開催された日米安全保障協議委員会で発表された文書(以下「発表文書」という。)において、「二〇〇九年に予定されている羽田空港拡張を念頭に置きつつ、横田空域における民間航空機の航行を円滑化するための措置が探求される。
 検討される選択肢には、米軍が管制を行っている空域の削減や、横田飛行場への日本の管制官の併置が含まれる。加えて、双方は、嘉手納のレーダー進入管制業務の移管プロセスの進捗を考慮する。」と表明したところである。 
 これは、発表文書を受けて、日米両政府が、横田空域(アメリカ合衆国(以下「合衆国」という。)軍隊が横田飛行場において行っている進入管制業務の対象である空域をいう。)における民間航空機の航行を円滑化するための措置を探求する際に、嘉手納飛行場における進入管制業務(以下「沖縄進入管制業務」という。)の我が国への移管に係る取組の進捗状況も参考にしていくことを述べたものである。

(質問) 二 
嘉手納ラプコンの返還については、「中間報告」が日米両政府で合意されるまでに、日米安全保障協議委員会等において、どのような協議がなされたのか詳細に明らかにされたい。
(答弁) 二について
 沖縄進入管制業務の我が国への移管については、政府として、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第二十五条1の規定に基づいて設置された日米合同委員会(以下「日米合同委員会」という。)の枠組みを通じて、累次にわたり合衆国政府に対して要請してきたところ、かかる要請を受けて、平成十二年三月十六日に、当時のコーエン国防長官から河野洋平外務大臣に対して、合衆国軍隊の運用上の所要が満たされることを前提に、沖縄進入管制業務の我が国への移管に同意する旨の発言がなされたところである。

(質問) 三 
嘉手納ラプコンの返還については、二〇〇〇年三月の河野外務大臣とコーエン米国防長官の会談で「運用上の所要が満たされることを前提に日本側に返還する」旨の表明があった。

 その後、日米合同委員会の下にある民間航空分科委員会の特別作業部会で協議が続けられてきた。河野、コーエン会談から六年が経過しようとしているが、嘉手納ラプコンの返還に向けて、日米間ではどのような進展がみられたのか。返還の目途はついたのか、いつまでに返還されるのか。

 また、特別作業部会での日米間の協議内容、日米双方の主張、進捗状況を改めて詳細に明らかにされたい。

(答弁)
三及び六について
 沖縄進入管制業務の我が国への移管については、日米合同委員会において、平成十六年十二月十日に、移管に向けた我が国の航空管制官の訓練に係る事項を含む具体的移管計画が承認されたところである。この訓練が終了した後に、日米合同委員会において更に具体的な調整が行われた上で、沖縄進入管制業務が我が国に移管されることとなる。その移管に必要な訓練については、平成十六年十二月十五日から開始されており、訓練の開始からおおむね三年後の移管の実現を目指すこととしている。
 御指摘の特別作業部会においては、沖縄進入管制業務が我が国に移管された後の運用方法等について協議しているが、協議内容等の詳細については、これらを公表すれば合衆国政府との信頼関係が損なわれるおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

四 国土交通省航空局の「沖縄進入管制業務の移管に関する民間航空分科委員会における協議について」と題する文書(二〇〇一年五月十七日)には、「平成十二年十月十六日から同年十一月十五日の間、航空局管制官二名が、嘉手納ラプコンに派遣され、沖縄進入管制業務に理解を深めた。」とあるが、その目的は何か。
 また、同文書では「民間航空分科委員会米側議長から平成十三年四月二十六日付け文書にて日本側議長である首席安全・危機管理監察官に対し、沖縄進入管制業務の移管に係る運用所要が送付され、同運用所要について、五月十四日に開催された特別作業部会において米側から説明された。運用所要は、米軍が必要とする最小限の航空管制業務の要件をまとめたもので、移管に係る今後の基礎となるものである。」とあるが、これはどのようなことを意味するのか、理解できるように説明されたい。

五 嘉手納ラプコンの返還に関して、その返還(移管)の条件としている「運用所要」が、二〇〇二年五月の日米合同委員会の場で、日米両政府により承認、合意されたと聞いているが、その合意内容を明らかにされたい。  また、米側が、返還(移管)の条件としている「沖縄進入管制業務の移管に係る運用所要」とは何か、具体的に説明されたい。
(答弁)
四及び五について
 平成十二年十月十六日から同年十一月十五日までの間、我が国の航空管制官二名を嘉手納レーダー進入管制所(いわゆる嘉手納ラプコン)に派遣したところ、これは、沖縄進入管制業務の我が国への移管後においても民間航空機及び軍用機の安全かつ円滑な運航を引き続き確保するため、沖縄進入管制業務の実態の理解を深めることを目的としたものである。
 平成十四年五月三十日の日米合同委員会において、日米両政府が、日米合同委員会の下に設置されている民間航空分科委員会の合衆国側議長から日本側議長に平成十三年四月二十六日に送付された沖縄進入管制業務の移管に係る運用所要を承認したところであり、この運用所要を踏まえ、沖縄進入管制業務の我が国への移管に向けて、日米両政府は移管に係るより詳細な協議を行っているところである。
 この運用所要は、緊急事態発生時の対応等、合衆国軍隊が従来どおり任務を遂行するために必要な事項を示したものであるが、具体的内容を公表すれば合衆国政府との信頼関係が損なわれるおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

六 日米合同委員会で合意された「運用所要」を基礎に具体的な返還(移管)計画を策定すると聞いているが、計画は策定されたのか。返還(移管)計画が策定されていれば、その内容を明らかにされたい。まだ策定されていないとすればいつまでに策定するのか。

(答弁)
三及び六について
 沖縄進入管制業務の我が国への移管については、日米合同委員会において、平成十六年十二月十日に、移管に向けた我が国の航空管制官の訓練に係る事項を含む具体的移管計画が承認されたところである。この訓練が終了した後に、日米合同委員会において更に具体的な調整が行われた上で、沖縄進入管制業務が我が国に移管されることとなる。その移管に必要な訓練については、平成十六年十二月十五日から開始されており、訓練の開始からおおむね三年後の移管の実現を目指すこととしている。
 御指摘の特別作業部会においては、沖縄進入管制業務が我が国に移管された後の運用方法等について協議しているが、協議内容等の詳細については、これらを公表すれば合衆国政府との信頼関係が損なわれるおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

 御指摘の特別作業部会においては、沖縄進入管制業務が我が国に移管された後の運用方法等について協議しているが、協議内容等の詳細については、これらを公表すれば合衆国政府との信頼関係が損なわれるおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

(質問) 七
 嘉手納ラプコンについては、一九七二年五月の「沖縄における航空交通管制」に関する日米合同委員会の合意がある。この合意は「那覇空港に近接して嘉手納飛行場が位置していることから、これら区域における航空交通の安全を確保するためには、単一の施設によって進入管制を行なう必要があるので日本国政府がこれら飛行場のレーダー進入管制業務を行なうまで暫定的に米国政府が那覇空港の進入管制業務を実施するものとする。」としている。

 1 日本の進入管制業務は技術、能力、態勢とも整備されており、日本の管制施設において一元的に進入管制を実施することができるのではないのか。

 2 しかも、日米合意では、米国政府が進入管制業務を行うのは「暫定的」とされているにもかかわらず、いまだ嘉手納ラプコンの返還が実現していないのは、いかなる理由によるのか、詳細に説明されたい。

 3 また、政府は日米合意の「暫定的」をどのように解しているのか、嘉手納ラプコンが返還されていないということについて、日米合意に照らしてどのように説明されるのか、明確に答えられたい。
 右質問する。

(答弁) 七について
 昭和四十七年五月十五日に日米合同委員会で合意された沖縄航空交通管制合意においては、「合衆国政府は、日本国政府がこれらの飛行場へのレーダー進入管制業務を提供できるまでの暫定期間中、これらの飛行場に対する進入管制業務を行う。」とされているところであり、我が国が沖縄進入管制業務を実施する能力を有するに至った場合には、日米両政府間で調整を図った上で、沖縄進入管制業務が我が国に移管されることとなっている。

 政府としては、我が国は既に沖縄進入管制業務を実施し得る十分な能力及び技術を備えていると考えており、右合意を踏まえ、沖縄進入管制業務の我が国への移管については、二について並びに三及び六についてにおいて述べたとおり、日米合同委員会の枠組みを通じ、累次にわたり合衆国政府に対して、要請し、協議を重ねた結果、日米合同委員会において、平成十六年十二月十日に、移管に向けた我が国の航空管制官の訓練に係る事項を含む具体的移管計画が承認されたところである。この訓練が終了した後に、日米合同委員会において更に具体的な調整が行われた上で、沖縄進入管制業務が我が国に移管されることとなる。






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