東京都議会平成十一年度各会計決算特別委員会速記録第十号

平成十三年二月九日(金曜日)

〇たぞえ委員 私は、十一年度決算での政策報道費のうち、東京の米軍基地について伺います。

 ことしは、サンフランシスコ条約、日米安保条約の締結から五十年目の年であります。日米安保条約のもとで日本が米軍に提供した全国の施設、区域は、沖縄県の三十九カ所を含めて全国百三十二カ所という状態です。私たち首都東京でも、五十年間横田基地など八カ所の基地が置かれ、実に五万六千人を収容する東京ドーム三百四十三個分の巨大な基地が置かれております。そのようなもと十一年度決算示している東京の基地関係経費の予算と支出額はどのような数字だったでしょうか。

〇松田特命担当部長 当室におけます基地関係経費は、事業関連の資料作成経費として、印刷製本費や渉外知事会の分担金等が主な支出内容でございまして、予算ベースでは、平成十年度が三百三十八万円、平成十一年度が三百十六万円、平成十二年度が三百九万円となっております。また、支出済額は、平成十年度で二百三十八万余円、平成十一年度で六百四十四万余円となっております。

 なお、十一年度の支出済額につきましては、横田基地に関する調査費三百三十六万円が含まれております。

〇たぞえ委員 十一年度はいわゆる軍民共用のための調査があって、通常よりもかなりの支出があったという話であります。

 通年出しております「東京の基地」、冊子を発行しておりますが、この十一年度は何冊印刷され、どこに配布をしているでしょうか。

〇松田特命担当部長 「東京の基地」は、事務資料として二年に一回発行しておりまして、平成十一年度は七百五十部作成しております。

 配布先は、都議会の各会派、庁内の関係局、国、米軍等の関係機関、市町村や他の道府県に配布しております。

〇たぞえ委員 大変貴重な資料なものですから、私どもは毎回いただけるのかなと思ったら、十一年度はもらえませんでした。情報ルームを訪ねますと、販売はしておりませんで、閲覧だけであります。これでは到底多くの都民に基地の実態を紹介する規模とはなっていないと思います。

 特に米軍基地の存在によるNLPの被害、こういう実態を知らせるためにも、都として隔年この冊子を発行するために、少なくとも横田基地に隣接する、影響を受けている周辺の地元の市議会議員や町会議員の皆さんに配布できるような発行部数に改善をするべきじゃないでしょうか。

〇松田特命担当部長 「東京の基地」は、基地の周辺自治体にも配布されておりまして、その中で適切に対応されていると存じますが、地元への周知方については、なお適切な対処をしていく所存でございます。

〇たぞえ委員 次に、騒音など、基地所在の自治体で暮らす住民は深刻な被害を受けています。先日、私どものところにメールが届きました。ちょっと読んで紹介しますが、横田基地爆音直下に住んでいる者としてぜひ皆さんに知っていただきたいことがある、こういう投書です。先週の日曜日、五月二十三日は娘の小学校の運動会でした。横田基地はこの日も朝から大型輸送機が離着陸し、日本の市民生活など関係ないとばかりに爆音をまき散らしています。特に怖かったのは、午後一時過ぎ、騎馬戦の真最中にF18が続けて四機離着しました。子どもたちはちょうど騎馬戦の真さなかで、子どもも先生も親もすべてが固まったように時間がとまり、競技が中断しました。戦闘機の爆音は、子どもの歓声も実況中継も音楽も、すべてかき消していきました。そしてF18が去った後、C9が離陸、何とそのままタッチ・アンド・ゴーを始めたのです。四十五度以上も急上昇しながら、運動場の真上を、飛行機の腹を見せながら急転回していき、少しずつコースをずらしながら五回繰り返しました。爆音もさることながら、落ちてきはしないかと、不安で胸がどきどきと鳴ったのは私だけではないはず。強い怒りを感じました。子どもたちにとってみれば、練習を重ねた晴れの日、それがまたしても横田の飛行機に台なしにされた、そういう思いが強かったのですと。このような、本当に爆音の被害というのは大変な事態だなということを私も改めて痛感したのです。

 米軍機が横田の基地滑走路を空母の甲板に見立てて、夜間、艦載機が着陸して、直ちに急上昇する、そういうタッチ・アンド・ゴーが繰り返される、こんな訓練を人口密集地で、しかも真ん中の、住民が暮らしているところで許されているのは、世界じゅうで日本だけです。アメリカ本国でもやっていないものです。日本の国民が外国軍隊のための苦しみにいつまで耐えなければならないのでしょうか。

 ことし一月までの十年間の横田基地の米空母艦載機による離着訓練の回数はどのような実態なんでしょうか。

〇松田特命担当部長 横田飛行場で実施されました米空母艦載機の着陸訓練につきましては、平成三年四月から直近の平成十三年一月までの十年間で、合計一万四千五百十七回でございます。

〇たぞえ委員 先日我が党の爆音問題プロジェクトチームが、横田基地を持つ野澤福生市長を訪問した際に、市長がこのようにいっています。NLPを行うという通告があったときにも、NLPが始まってからも、NLPが終わってからも抗議しているが、この繰り返しでは、もうだめです、米軍機は小回りで市街地の真上を低く飛ぶ、事故の危険があり、騒音被害はもう限界だといって、訓練にノーの声を上げているわけです。

 東京都は、横田基地対策に関する在日米軍への要望書を毎年出しているようですが、その中でも、今後一切中止するよう強く要求すると書いています。それでNLPは一体中止になったのか、効果はあったのでしょうか。

〇松田特命担当部長 米空母艦載機の着陸訓練を初め、軍用機の騒音につきましては、重大な問題であると認識しておりまして、都は従来から、周辺町村と協議会を設置しまして、国や米軍に対し空母艦載機着陸訓練の中止を求め、あわせて騒音レベル等の具体的なデータを示して抗議を行っているところでございます。

 現在、空母艦載機訓練について米軍で改善策を検討していると聞いておりますが、地元の騒音影響に配慮し、最大限硫黄島で実施するということを、米海軍の厚木基地司令部より都として確認をいたしました。

〇たぞえ委員 今でも本当に深刻な、また重大な基地騒音、そして基地そのものの存在が大問題になっていると思うのです。東京都が東京構想二〇〇〇、航空政策基本方針、それから多摩の将来像の中で、返還までの対策として民間航空の利用の実現を国に働きかける、こういう方針を掲げているわけです。

 ご存じのように横田は、在日米軍司令部や第五空軍司令部、航空団司令部、戦術空輸航空団、こういう主な部隊のほかにも三十四の部隊がこの基地の中に配置されているわけで、アメリカの国防総省の文書を読みますと、世界的、地理的事件を支援する中心的兵たん施設だという位置づけなんですよ。

 そういう状況にある横田の機能に加えて、返還までの間は−−まだ返還のめどはついていないわけですが、かなりの長期間にわたって、米軍と民間を混合した共有が行われるということなんですね。どうですか。

〇松田特命担当部長 現在都は全面返還を原則として要求しておりますが、それまでは民間との共同利用ということを国等各方面に要求しているところでございます。

〇たぞえ委員 この軍民共用を仮に実施をした場合に、政策報道室が十一年十月に作成した横田基地に関する調査というのがありますが、航空機騒音について予測をしています。そこでは、飛行回数、民間の便の回数をどのように予測をされているのでしょうか。

〇松田特命担当部長 先生ご指摘の調査によりましては、軍用機につきましては実地調査と騒音データをもとに、平均の飛行回数低空通過含めまして一日六十四回と推計しております。

 また、民間機につきましては、この調査で航空需要が最大となる二〇一五年の予測値から、旅客、貨物合わせて五十四回と推計しておりまして、軍用機と合計しますと、一日当たり百十八回の離着陸の回数を予測しているところでございます。

〇たぞえ委員 民間との共用になれば、これまでの騒音がさらに倍近くにもはね上がる、その影響ははかり知れないものが都民に襲いかかってくるということになります。

 石原都政が推進している軍民共用化ですけれども、先月の二十九日、米軍横田基地のある瑞穂町の関谷町長が赤星理事のところをお訪ねして陳情書を手渡しました。この陳情書を改めて読んでみますと、軍民共用化は町民の心情を全く理解していない、怒りを覚える、このように町長は大変憤慨をされて、爆音被害を二重に拡大する共用化は絶対反対である、このように明確に述べていらっしゃるわけであります。

 今日でも米軍基地の騒音に苦しむ学校は数多くあります。私は教育庁に調べていただいたら、爆音の一番ひどい七五デシベルの直下にある都立高校は、羽村高校、多摩工業高校、拝島高校、この三校であります。これは毎日爆音に苦しんでいる。東京都の教育委員会は、二月二十一日に行われる東京都立高校の入学試験、全校二百四校が行われるわけですが、この入試選抜の中では、放送による英語のリスニングテストというのが行われるそうです。これは放送を子どもたちに聞かせて試験をやるわけで、この瞬間に爆音が入ってきますと試験ができない、こういうことで都教委は重大な結果を招くことになるという警告を発して、米軍に申し入れをしました。

 これに加えて民間機が新たに飛行すれば、受験期だけではなくて、日常的な学校運営にも大きな影響を与えかねないことは明白であります。

 さらに、最近、民間機のニアミスが大ニュースになりましたが、横田空域と呼ばれる米軍管制空域、ここは大変狭い空域であるために危険な事故が予想され、今でも羽田空港から飛び立つ民間機の安全飛行が大変脅かされているといわれています。実際に九八年八月十九日の朝、相模原上空で羽田発広島行きの日航機と空母艦載機FA18戦闘攻撃機とのニアミスが発生しまして、まさにこの空域というのは大変危険な状況にあるわけです。

 こんなふうに広大な空域を他国の管制下に置かれているのは、まさに日本だけです。地元住民だけではなく、日本の航空交通の根本にかかわる事態ではないでしょうか。

 民間機のさらなる飛行は、過密の空域をさらに過密にすると考えますけれども、都はどのようにお考えなんでしょうか。

〇松田特命担当部長 現在都は横田の空域についても返還を求めているところでございますが、横田空域の民間利用が実現いたしますと、関東エリアにおける空域が拡大し、その結果、過密状況が全体として緩和されるものと考えております。

〇たぞえ委員 過密が解消されますといいましたけれども、直下の都民にとってみたら、爆音は倍ですよ。根本解決にはならない。だからやはり横田の基地は、現在の被害から解消するためには、返還の道をたどるしかないというふうに申し上げておきたいと思います。

 次に、横田基地の軍人が利用している多摩サービス補助施設の返還の問題です。

 この施設は百九十八万平方メートル、東京ドーム四十二個分に匹敵する面積で、米軍人と家族のために、ゴルフ場施設やキャンプ場、野外施設、スポーツ施設を備えたものです。ここにはタヌキもキツネもおるようですが、大変自然の豊かな基地です。この施設に面して、都道稲城日野線、通称川崎街道の稲城市から多摩市に至る九・三キロメートルのうち、米軍多摩サービス施設に隣接する一・八キロ区間は、二車線の幅員であるために−−二車線九・五メートルですね−−恒常的な自動車渋滞が続いて、都民生活に深刻な影響を与え続けてきました。まさに基地の存在そのものが東京都民の基幹交通の慢性的な麻痺を生んできた原因です。

 この根本的な解決の手だてである川崎街道の拡幅を行うためには、補助施設の用地を道路用地に切りかえる、このことが何よりもの決め手です。そのために基地の返還が大変急がれていました。我が党はいち早く九七年三月三日の第一回都議会定例会代表質問で、秋田かくお議員が、緊急に道路拡幅を行うために、基地施設の返還に直ちに取り組むよう都の姿勢をただしました。東京都は、大蔵大臣と東京防衛施設局長にどのように働きかけ、努力を行ってきたでしょうか。

〇松田特命担当部長 川崎街道の道路拡幅に伴う多摩サービス補助施設の一部土地の返還につきましては、平成九年三月十二日付で、大蔵大臣と東京防衛施設局長に対し返還申請書を提出しているところでございます。

〇たぞえ委員 その申請書を提出されたわけですが、では日米合同委員会はどのような見解を東京都に示しているですか。

〇松田特命担当部長 平成十年二月二十六日の日米合同委員会では、多摩サービスの補助施設の土地の一部約二万三千平米を都道拡幅用地として返還すること、また、そのための条件として、敷地内で移設が必要となっている施設につきまして、道路事業者である都が代替の施設を建設し、その経費は都が負担すること、以上の二点が合意されました。

〇たぞえ委員 もう一度確認しますが、多摩サービス施設の一部を正式に返還をする、こういうことを日米合同委員会は承認をされたわけですね。もう一度お願いします。

〇松田特命担当部長 平成十年二月二十六日の日米の合同委員会で、多摩サービスの土地の一部二万三千平米を返還されるということが合意されました。

〇たぞえ委員 では、返還の際には、米軍から返還書が提出される必要があるわけですが、返還書による返還日とはいつなんでしょうか。

〇松田特命担当部長 返還日は、平成十二年十二月二十一日でございます。

〇たぞえ委員 これは国の権限にかかわることでありますので、当然閣議で決定したですか。

〇松田特命担当部長 平成十三年一月二十三日の閣議で決定しております。

〇たぞえ委員 それによる当該道路の拡幅に必要な土地の返還規模と道路延長距離はどういう内容なんでしょうか。

〇松田特命担当部長 多摩サービス補助施設に関連する道路延長は、一・八キロ、返還面積は二万三千二百六十二平米でございます。

〇たぞえ委員 それでは、これによって現道二車線から何車線に拡大するのですか。

〇松田特命担当部長 完成いたしますと、四車線道路になる予定でございます。

〇たぞえ委員 この米軍施設の返還は無償なのか有償なのか、どういう基準になっているのでしょうか。

〇松田特命担当部長 これについて、国に返還された土地については対価の支払いはなかったと聞いております。

〇たぞえ委員 そうしますと、今回の基地施設の返還によって、東京都は返還面積に匹敵する代替地の提供はあったでしょうか。

〇松田特命担当部長 代替地の提供は行っておりません。

〇たぞえ委員 私、先日、サービス施設と道路の拡幅の現場調査してきました。既に四車線の工事が急ピッチで行われておりまして、かつて私が見に行ったときよりも、米軍施設のフェンスがずっと山の方に入り込む、こういうことで、基地内に後退をしていたわけです。

 延長二千四百二十メートルのうち、建設局施行区間が千九百メートル、多摩都市整備本部施行区間が五百二十メートル区間、この区間でありますが、いつになれば歩道と車道の工事が完成して、いつ車が供用できるでしょうか。

〇松田特命担当部長 車道部分の一部につきましては、今年度末に完成し、四車線道路として利用でき、また、全体といたしましては、歩道を含めて平成十三年十月末に完成し、供用を開始する予定であると聞いております。

〇たぞえ委員 もう一回確認しますけれども、今平成十三年十月とおっしゃいましたが、実際に車が通れるのは何月からですか。

〇松田特命担当部長 車道部分の一部一・九キロについては、今年度末に完成し、車が通れる予定であると聞いております。

〇たぞえ委員 きょうはもう二月ですから、この三月、来月には一部四車線で車が通行できると。私が行きましたときも、トラックがたくさん通っていて、歩道が狭いものですから、これでは事故も起きかねない、一日も早い全線四車線の完成期待したいと思います。

 私ども日本共産党は、機会のあるたびに、生活密着型の道路など公共事業を大いに進めるよう強調してきました。この点からも、今回の施設返還と道路拡幅を心から歓迎をするものです。一層施設の全面返還を努力されるよう期待をしたいと思います。

 さらに、米軍が不法に公園用地を占領している麻布ヘリポート問題でも、都として最大限の努力を要求したいと思います。

 最後に、都内における生物兵器の実験部隊の配置についてです。

 森首相は、昨年の十二月、防衛庁がこの三月にも、世田谷区の三宿の陸上自衛隊駐屯地内に、生物兵器として使われる細菌に関する研究部隊を設置する計画を発表しました。ここで行う研究の中身、今後の計画を都はどのように把握されているでしょうか。

〇松田特命担当部長 平成十二年十二月十八日に防衛庁から新組織の部隊、医学実験隊について説明がございました。それによりますと、研究は文献が中心であり、実験施設もないことから、危険性を伴うものではないとのことでございました。

〇たぞえ委員 十三年度の国の予算書を見てみますと、予算あるですね。この部隊の設置に伴う経費は三十五億円なんです。三十五億円も本を買うわけじゃないです。現在の施設を改築したり研究するためのいろいろな器材を購入する、だから文献調査じゃないですよ。この計画はもともと、アメリカの国防白書でも書いていますが、アジアの同盟国にも生物兵器作戦の構想を策定させると、こういう流れの中でこの三月にも配置される、こんな計画です。

 防衛庁長官の諮問機関であります生物兵器への対処に関する懇談会というのがありますが、ここでも盛んな議論が行われていて、防護の研究を行うためには最小限の生物剤の保有が必要だということで、中国大陸に進出をした七三一部隊の細菌実験、こういうものが起こるではないか、こういう不安を、周辺住民は大変危惧をされる。世田谷区議会の各会派の皆さんも、これは大変なことだということで、防衛庁に見解を求めています。実際に実験隊がどう配置され、どういう研究をしていくのか、防衛庁からいまだ全く住民には説明がありません。このことが住民の不安を一層広げています。実験隊の配置の前に住民説明会を行うよう都は防衛庁に要望するべきだと思いますが、いかがですか。

〇松田特命担当部長 都として説明を受けました際に、誤解や混乱を招くことのないよう、地元区を初め地元に十分説明をするよう要請したところでございます。また、地元の動向を見ながら、今後についても適切に対応したいと考えております。

〇たぞえ委員 東京の基地についていろいろ伺いましたが、この多摩サービスの返還、本当に都民にとって貴重な前進だと思います。二万四千平米の道路用地が確保できたことによって、都民の足も快適になると思います。しかし、根本的には、八カ所の米軍基地の存在が、東京ドームの数でいいますと三百四十三個分と、これだけの広大な基地が返ってくることによって、特に横田基地では、五日市街道がもとに戻って、こうした交通の新たな足の確保が図られます。こういうことが行われれば、都が盛んに掲げている多摩の幹線道路の整備も、緊急性というのは再検討できるじゃないでしょうか。こうした貴重な土地を都民のために大いに生かしていくためにも、予算の措置でも、それから政策報道室の人の配置でも、ぜひ厚くしていただいて、この日本から世界に平和のメッセージを東京都自身が送れるように努力していただきたい、そういうことを申し上げて終わります。

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