基地対策のあゆみ--事故-

基地対策のあゆみ--事故-

空母ミッドウェイ第4甲板のB-425-T区画において爆発・火災が発生した。この区画内にはカタパルト(航空機発射装置)用蒸気管や燃料排出管が通っていた。
この燃料排出管は多くの箇所が腐食しており,中にはおそよ8センチ四方の穴もあった。

区画内で漏出した燃料に高熱と酸素が作用し、火球が発生し、同火球が隔壁を破って第4甲板から第3甲板を通過して第2甲板にまで到達した。

横須賀市と基地>基地対策のあゆみ
昭和35年11月以降の事件事故等に対する、関係機関への横須賀市の対応(要望、要請等)等を時系列で平成15年12月までを掲載
http://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/kithitai/02/
より
 
1974年から2003年までの30年間に、日本の近海および日本の艦船と米国軍艦等との衝突、日本に寄港したり日本の港湾を母港とする米国艦船がらみの事件をふくめて、合計21件の事故・事件が「あゆみ」から数えられる。(油もれなどは別として)

中でも、1990年6月20日12時30分頃発生した空母ミッドウェイの事故はすさまじい。

カタパルト(航空機発射装置)用蒸気管というから、相当な蒸気を送りだす装置で、燃料排出管は艦載機の燃料を排出するものだろうか。

 それにしても、「多くの箇所が腐食しており,中にはおそよ8センチ四方の穴もあった」、という位だから、ごくたまにしか使わなかったに違いない。

「区画内で漏出した燃料に高熱と酸素が作用し、火球が発生し、同火球が隔壁を破って第4甲板から第3甲板を通過して第2甲板にまで到達した。
(3)この間2回の爆発が起こり、最終的には3名が死亡し、また多くの負傷者が出た。
(4)なお、この爆発・火災を誘発した背景として、同日午後、ほぼ満杯であった燃料タンクに誤って燃料が注入されたため、その一部が燃料排出管から漏出したとの事情があった。」

ほぼ満杯であった燃料タンクに誤って燃料が注入する!

「燃料移送の監督を改善し、連絡手続を義務付ける」?当たり前の事だ。

「高圧の蒸気管と可燃性の液体用の管が同じ場所に存在することをさける」のも初歩だろう。

なるほど、し尿をためるタンクも数年かけなければ設置できない程だったのだから、こんな物騒なものが混在していたのも無理はない!
ではすまない。

しかも、翌1991年、 8空母「インディペンデンス」の火災事故が発生する。

 「8月8日南カリフォルニア沖において、空母インディペンデンスの航空酸素貯蔵用の小区画において火災が発生した。」

 「本件火災により、液体酸素に関する装備品を扱っている兵員1名が死亡した。7名の兵員が軽度の煙吸入により治療を受けたが、まもなく任務に完全に復帰した。
2.火災の発生は、格納庫甲板上の航空酸素貯蔵庫内に限られており、直ちに艦内の消火班によって沈静化され、消火された。」

1979年. 8. 9 米空母ミッドウェイ艦内の空調機械室で火災発生
死亡 日本人1人 軽傷 日本人2人・米軍人17人

 その他、日本周辺の海域における米国軍艦の事故も見すごせない。

1965年12月5日、1個の核兵器を搭載した海軍のA4型機、これが米空母「タイコンデロガ」の昇降機からすべり、16,000フィート以上の海中に没した。搭乗していたパイロット、兵器及び航空機は公海において直ちに沈み回収されなかった。

1985年12.10 米国海軍フリゲート艦「ロックウッド」が比国商船「サントニノーR」と衝突

1997年6月28日、16時30分頃、横須賀港沖海上にて米軍艦「ブルーリッジ」と日本の商船「第56鳳生丸」が小規模な衝突

1998年2月11日早朝、米国原子力潜水艦「ラ・ホヤ」が韓国領海内で、韓国漁船と衝突

2001年2.9米国原子力潜水艦「グリーンビル」が宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」に衝突

軍隊は、作戦効率を高めるためにも、日常的に資材・器具などの点検をかかさず、兵士に過酷なまでの訓練を課している。

 帝国内外での事故根絶のため、史上の諸帝国は規律を維持し、訓練の精度を高め、実戦に活用してきた。

 10年程前、1年以内に2隻連続して空母の事故が発生していた。空母の常時配備が何隻で行われようと、「抑止」対象国への威圧もその効果が減少するというものだろう。
 
 数年前、米空母群が中国沿岸に展開するという事態があったが、2005年の今日、その中国は6カ国協議でリーダー的役割を演じ、朝鮮半島の情勢緩和に貢献している。

 空母群の軍事的力量は、世界で他に追随を許さないものだと言うのは間違いない。しかし、イラク周辺に集結した米空母群がイラク侵攻と占領に大きな役割を果たしたとはいえ、もはやそれがイラク民族への威嚇にもならず、テロリストへの打撃にもなっていない。

 戦争の大義のなさだけでなく、こうしたところに、「冷戦」の相手国を失いなおかつ膨大な軍備を維持し続ける口実を「戦略」としている米軍のほころびが見えているのではないだろうか。

 横須賀が相次ぐ米軍艦隊や基地施設、人員の不備、それによる被害にたいし警告を発し続けたのは、当然である。




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