横田飛行場の「軍民共用化」に関する質問主意書

平成十九年十月十八日提出
質問第一三〇号
横田飛行場の「軍民共用化」に関する質問主意書
提出者  照屋寛徳

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横田飛行場の「軍民共用化」に関する質問主意書

 首都・東京の西部に位置する横田飛行場は、米空軍の輸送と指揮を主要任務とする中枢的な在日米軍飛行場である。日本における米空軍を指揮する太平洋空軍第五空軍の司令部、さらには陸、海、空、海兵の在日米軍全てを統括し、調整する在日米軍司令部がここにある。
 いわゆる横田基地は、複合基地であり、横田飛行場の他に府中通信施設、大和田通信所、所沢通信施設、柚木通信所、多摩サービス補助施設等、東京、埼玉にまたがる六個の基地が一体となって機能している。
 中心施設である横田飛行場は、長さ約三三五〇メートル、幅約六〇メートルの滑走路を持っている。滑走路は、ほぼ南北に走っており、約三〇〇メートルのオーバーランが両端に付いている。(「情報公開法でとらえた在日米軍」梅林宏道著)
 その横田飛行場について、二〇〇六年五月一日、日米両政府が合意した「再編実施のための日米のロードマップ」(以下、ロードマップという)において、軍民共同使用の実施が約束されていた。日本政府は、横田飛行場の「軍民共用化」を、いわゆる「米軍再編の目玉」と位置付け、ロードマップの成果として大々的に国民に宣伝した。
 ところが、最近になって、横田飛行場の「軍民共用化」が見送られる公算になったことが明らかになり、その旨、マスコミ等で報じられている。私は、いわゆる米軍再編は、日米軍事同盟の強化であり、米軍と自衛隊の一体化、融合化であると反対を表明し、批判し続けてきた。政府は、ロードマップに基づいて、沖縄においては、普天間飛行場の代替施設としての新基地建設を強行せんと画策する一方で、米軍再編の目玉と位置付けていた横田飛行場の軍民共用化については、米側の要求に屈してしまう有り様である。
 以下、質問する。

一 日米両政府間で合意されたロードマップによると、「日本国政府及び米国政府は、横田飛行場のあり得べき軍民共同使用の具体的な条件や態様に関する検討を実施し、開始から十二ヶ月以内に終了する」となっている。
 日米両政府は、いつから、どの機関において、横田飛行場の「軍民共用化」に関する検討会を立ち上げたのか。また、日本側の参加者の省庁別の氏名、肩書き、及びこれまでに開催された検討会の日時、場所等を明らかにした上で、検討会の開催状況に対する政府の見解を示されたい。

二 横田飛行場の「軍民共用化」に関する日米の検討会では、どのような具体的課題が挙げられ、同飛行場の運用体制の現状と「軍民共用化」に向けて、いかなる協議がなされたのか。また、検討会における二〇〇七年十月現在の検討協議の現状について、ロードマップに掲げる目標に向けて、着実に進捗していると考えているのかどうか、政府の見解を明らかにされたい。

三 横田飛行場の「軍民共用化」について、同検討会における政府の政策や立場、米側への主張内容を明確に示されたい。

四 ロードマップによると、横田飛行場の軍民共同使用の具体的な条件や、対応に関する検討は、開始から十二ヶ月以内で終了する旨、示されているが、それは間違いないか。仮に終了しない場合、どのような対応をとるのか。米側が軍民共同使用に応じない場合の態度を含めて、政府の見解を示されたい。

(答弁書)
 平成十九年十月二十六日
内閣総理大臣 福田康夫

一から四までについて
 日米両政府は、平成十八年五月一日の日米安全保障協議委員会の際に発表された「再編実施のための日米のロードマップ」において、「横田飛行場のあり得べき軍民共同使用の具体的な条件や態様に関する検討を実施し、開始から十二か月以内に終了する。」とされたことを受け、同年十月に日米両政府の実務担当者からなるスタディ・グループを立ち上げ、検討を進めているところである。
 当該スタディ・グループにおいては、伊澤修外務省北米局日米地位協定室長が日本側議長を務めてきており、外務省、国土交通省及び防衛省の関係者が出席している。
 当該スタディ・グループの会合は、これまでに平成十八年十月、同年十二月、平成十九年二月、同年三月、同年四月、同年六月、同年八月、同年九月の合計八回にわたり、東京又はワシントンで開催されているが、米国政府との協議の具体的な内容等については、これを公にすると米国政府との信頼関係が損なわれるおそれがあること等から答弁を差し控えたい。政府としては、スタディ・グループにおける検討を可能な限り早期に終了できるよう、引き続き米側との協議に取り組んでいく考えである。




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