厚木の騒音の根っこ--「横田エリア」について

20083.23学習会レジメ
          町田平和委員会

厚木の騒音の根っこ--「横田エリア」について

1.はじめに  
町田平和委員会の学習会 ○06年5月14日 騒音問題 ○7月17日横須賀から呉東弁護士○11月18日町田市民自治学校平和分科会で第三次厚木爆音訴訟団事務局長藤田さん。

2.「横田エリア」とは何か (資料図参照)南北193キロ・東西80キロ、1都8県。(東京都、埼玉県西北域、栃木、山梨県、群馬県ほぼ全域、宇都宮以西北域、長野県中信、北信、新潟県中越域http://g3s.gunmablog.net/e3510.html)神奈川、静岡県 横田・厚木基地の航空管制を行い、米空軍の訓練・作戦のための同空域における機能を優先的に確保する。他の訓練空域・海域の設定、使用の管制を行う。

<米空軍の任務=米合衆国とその世界的利益を守るため確たる選択肢を供給すること>
--横田基地のHPより.第374空輸航空団Air Traffic Tower(管制塔)がBldg1330、Rader Approach Control(ラプコン)がBldg1368に。第5空軍空域管制監督官James McGrath(「山岳地域や複雑で錯綜した航路をもつ横田ラプコン区域の核心に、同空域の柔軟な使用に関する協議が影響を及ぼす」”Stars & Stripes 060707)

<なぜ「横田エリア」を取り上げるか>

<その1・騒音の根っこ・再編の一つの眼>広がった4次厚木基地騒音訴訟を側面(コンター外)から支援したい。原子力空母母港化で艦載機部隊が少しでも「いずらくなる」ようにしたい。(地位協定で米軍は全土基地方式を許され、空母艦隊と艦載機は=自衛隊とともに=空域・水域占有・使用・アクセスを許されている。)特に、陸海空の日米司令部の統合・機能強化が集中する「16号ライン」に焦点をあて、「再編強化反対」を少しでも強めたい。

 06「再編」では、厚木からの艦載機部隊の岩国配備について、岩国の訓練空域と岩国ラプコンの調整を前提としている。(リム・ピースはこの点を伊豆沖のR116南方のR599訓練空域などとの関連で押さえている。検索「空域」--120件ヒット)

「再編」=(1)第5空母航空団の厚木飛行場から岩国飛行場への移駐は、必要な施設が完成し、(2)訓練空域及び岩国レーダー進入管制空域の調整が行われた後、2014年までに完了する。(3)訓練空域及び岩国レーダー進入管制空域は、米軍、自衛隊及び民間航空機(隣接する空域内のものを含む)の訓練及び運用上の所要を安全に満たすよう、合同委員会を通じて、調整される。(4)恒常的な空母艦載機離発着訓練施設について検討を行うための二国間の枠組みが設けられ、恒常的な施設を2009年7月又はその後のできるだけ早い時期に選定することを目標とする。。。。」(岩国空域は別図参照)

<その2・安全>羽田、成田だけで年間1億人が空の旅、という時代に首都圏上空の軍事空域は、余りにも危険だ。09年からの羽田の増発などにより、ニアミスは多発しうる。

●「自衛隊機によるニアミスは、平成7年度から16年度の10年間で、平成8年の那覇空港の1件。米軍機平成15年に沖縄で1件あった」(国土交通省)

● 自衛隊機事故--死亡または航空機の破壊を伴う大事故の件数は平成7-16年度の10年間で25件。米軍-平成13-17年度の5年間に4件の墜落事故(防衛施設庁答弁06年5月)

● 「全国の米軍の事故年平均H12からの5年間で墜落が0.9件、部品落下事故等が5.1件(防衛施設庁の再編説明資料)

●自衛隊1986年からの20年間で大型固定翼機29、同小型8、回転翼機14、合計51件。

在日米軍(同)大型固定翼機15、回転翼機7、合計22件。(原発上空飛行機事故について)

多少の前進ではあるが、「二割削減」で民間機の航空や住民の安全が保障されるとは、全くいえない。人命、人権軽視でもあり、何よりも首都圏における日本の主権侵害だ。

<その3>日常的に危険に直面しているパイロットや管制官が、幅広い取り組みを訴えている。横田シンポ(99年10・29)など。1971年の雫石事故より「軍事優先の航空政策を改めさせる—新たな課題に。‘79の百里空域での時間分離方式導入で、軍民の航路平面完全分離が危機に。’80沖縄の空域調査で「公示なき」エリア究明。‘81安全会議として初めて防衛庁交渉。

(‘84年沖縄空域追加運用に至るも、大幅に遅らせ、予定地よりかなり変更させた)

‘07年のグアム追尾事件で航空労組連絡会など3団体が外務省・国交省と交渉。10月米大使館へ、11月米軍謝罪。’082.20冬柴大臣が誤り(米軍への問い合わせサボ)認める。

<その4・軍民>石原都知事が「空域の立体模型」を見せ(資料図参照)、管制権の日本側への返還をアピールし、軍民共用化を訴えてきた。「管制は、日米共同といいますか、実質的に自衛隊が行うことになる。。。大変結構なこと」(2005.03.02都議会)どこに返すか、が問題。

○06年4月ハドソン報告書(「共同使用論が本格化すれば、航空自衛隊が横田基地の共同使用を申し出る可能性は充分にある。航空自衛隊の中継地としても論理的には最適なはず」)

 ○ライト在日米軍司令官(7・5・9 「(これまでの日米共同訓練はコープサンダーやコープノースのような大規模な訓練、また三沢、嘉手納、横田の各基地で実施している部隊規模での訓練や交流プログラムなどの一環であるに過ぎない。)

 自衛隊への管制権移管は(1)基地固定化(2)民間の安全(3)共同訓練--海外派兵・共同作戦(4)米軍管制指揮権(イタリアの基地でもある)の事実上の温存などの点で問題だ。

 <管制権の対日返還>ではなく、<対国土交通省(航空管制局)への返還>を求めることが決定的に重要。

3.横田エリア・訓練空域と地位協定  (主に「日米地位協定逐条検討」p.274-275より)

三沢対地訓練区域 (R130) 空軍 R-130 Ripsaw Range 北部本州空戦訓練区域 (R129) 空軍 中部本州空戦訓練区域 (R121) 同    九州空戦訓練区域 (R134) 同 キロ区域 (房総沖)中止 チャーリー区域 (C) (R116)伊豆沖  リマ区域 (L)(R109) 高知沖、九州東部  ゴルフ区域(G)(R104) 九州北部 フォックス・トロット区域    (R105) 九州西部 

(出所 1997年2月衆院予算委員会への防衛施設庁提供資料)

航空路(「日本の黒書」)

ブルーBlue14、20    レッドRed1、19  アンバー(暗褐色)Umber 9,10,7 Green 4.6.8,10,3 (Green3は厚木−富士演習場)とある。

松尾高志著『同盟変革 日米軍事体制の近未来』2008--「これ(有事法制)によって港湾に停泊中の船舶や、飛行場で駐機中の航空機を「移動」させることも可能にしている。

 海域については海上保安庁長官によって「特定の海域」を「告示」することによって、その海域での船舶の航行制限・航空統制を実施する。この違反者には罰則が科される。

 空域については国土交通大臣によって「特定の空域」を「飛行禁止空域」として設定することを可能としている。航空機の航空統制も実施する。

 空も海も陸地も交通に関して完全に国家統制の下に置くわけである。」(以上引用)

・“有事法制の適用で地位協定を補強する”ことになる。

<その1>嘉手納ラプコンの管制権返還との関連--3年ほど遅れたが「水域29、空域20ヶ所」

嘉手納基地の航空交通管制、空域、飛行場、および射撃場を管理する。

第18航空団(太平洋空軍)指令「飛行場作戦命令」13-204 (06.4.4)滑走路や誘導路の閉鎖、制限区域,Hot Gun Areasなど全25章は、如何に基地を使うか言及している。

(嘉手納、那覇も、シュワブ水域をもつ新基地の離発着もカバーする)沖縄の空域管制は、自衛隊であっても容易ではなく、ましてや国土交通省への移管は多大の困難を伴う。沖縄の基地削減と管制権の国土交通省への移管が不可欠に。

「再編」は(1)略

(2)横田空域の一部について、2008年9月までに管制業務を日本に返還する。返還される空域は、2006年10月までに特定し

(3)横田空域の一部について軍事上の目的に必要でないときに管制業務の責任を一時的に日本国の当局に移管するための手続を2006年度に作成する。(4)日本における空域の使用に関する、民間及び(日本及び米国の)軍事上の所要の将来の在り方を満たすような、関連空域の再編成や航空管制手続の変更のための選択肢を包括的に検討する一環として、横田空域全体のあり得べき返還に必要な条件を検討する。この検討は、嘉手納レーダー進入管制業務の移管の経験から得られる教訓や、在日米軍と日本の管制官の併置の経験から得られる教訓を考慮する。この検討は2009年度に完了する。日本国政府及び米国政府は、横田飛行場のあり得べき軍民共同使用の具体的な条件や態様に関する検討を実施し、開始から12か月以内に終了する。

(5)この検討は、共同使用が横田飛行場の軍事上の運用や安全及び軍事運用上の能力を損なってはならないとの共通の理解の下で行われる。両政府は、この検討の結果に基づき協議し、その上で軍民共同使用に関する適切な決定を行う。」となっている。

<その2>低空飛行などによる被害増大。2002

−07の6年で苦情が23都道県より。(塩川議員) 広島などの「米軍の低空飛行の即時中止を求める県北連絡会」--30都道県。

百里空域(沖)などの日米共同訓練の増大---

●使用機による事故の多発。--F15--「県内での同機の事故件数は、一九七九年の嘉手納基地配備後、優に百件を超える」

●FA18--(米海軍ホームページの統計)「クラスA」(死者発生や墜落など被害額百万ドル以上)事故は、2000年から五年間で四十九件、年平均十件近」2006年3月市田書記局長。

<その3>米軍による民間空港の使用

 1983年から96年まで14年間に、道内の6空港で合計1456回、東北の4空港(新潟をふくむ)で同1251回、中国四国の5空港で同660回、関西(名古屋をふくむ)の3空港で同418回、九州の7空港(長崎で4144回)で同6261回など、合計6261回の使用があった。年平均914回、月平均76回、日平均で2.5回の民間空港への米軍機離着陸があった。

<その4>地位協定と航空交通管制に関する合意

 自民党の安全保障調査会は1996年に「地位協定を改定し”米軍の利用を認める“」と地位協定に明記するよう検討した(産経4月3日)---公海上の区域設定や、低空訓練ルートの存在に関連して。(「逐条」p74)「日米地位協定逐条批判」(地位協定研究会)1997

地位協定第3条:

日本国政府は、施設及び区域の支持、警護及び管理のための合衆国軍隊の施設及び区域への出入の便を図るため、合衆国軍隊の要請があったときは、合同委員会を通ずる両政府間の協議の上で、それらの施設及び区域に隣接し又はそれらの近傍の土地、領水及び空間において、関係 法令の範囲内で必要な措置を執る

第5条:(公の船舶・航空機の出入国、施設・区域への出入権)

一 施設・区域外の港・飛行場からの出入国 二 施設・区域たる港・飛行場からの出入国(原潜寄港問題を含む) 三 日本国内における移動の権利

(1968年3月31日参院予算委答弁(要約)「5条に基づく米軍機の権利は、一般的原則的なもの」「特定の限定はされていない。秘宝に限定的な緊急的な場合だけに限られない」)

第6条 航空交通

一 航空交通管理・通信体系の協調・整合 二 領空侵犯排除措置関係

<航空交通管制に関する合意 第三附属書>(すでに失効)---「地位協定の考え方」増補版(琉球新報社)より

●「空域制限(高度制限)」--計画された任務を遂行する戦術的航空機に独占使用させるため、航空交通管制本部によってあらかじめ指定された一定の空域

------------------(これは、<日本国および同国周辺の水域上の空間>(同合意)の一部である)

●次に述

べる航空機について、航空交通管制承認の最優先を与えること。(一)防空業務に従事する航空機及び(二)あらかじめ計画された戦術的演習に参加する航空機。 ●防空責任担当機関と協議の上、防空業務に従事する航空機の迅速な離陸及び基地帰投に必要とみなされる圏もしくは、区を空域に設定すること。

● 在日合衆国軍の要求にもとづき、民間、軍を問わず、すべての航空機関に優先する空域制限(高度制限)を航空交通管制本部をして提供せしめること。

(補足)

(1)横田ラプコンの修理・近代化(総額14.2億円の一部)

横田の管制塔とラプコン設備の改善が、総額14.2億円の計画の一部として進行中だ。 Jesse Acevedo(374作戦支援飛行隊飛行場運用飛行司令官・大尉)がのべた。

全体の計画は、現在の建物を最新式の設備・施設に代えることをふくむ。

主な改善は(1)ターミナル・ボイス・スイッチの強化(2)通常ターミナル自動変更システム=STARS(3)新戦術予想システム(4)飛行場自動化システムだ。(1)は多数の周波数スイッチを小さなデジタルのタッチ式ディスプレーにし(2)STARSは、新設備とともに導入されるデジタル式空港監視レーダーアンテナから受けたレーダーデータを自動化して管制官の意識を高め(improve controller awareness)るものだ。

(2)航空管制システムへの監査

 2004年10月11−18日に横田の航空管制システム監査が、17名の太平洋空軍(ハワイ)、空軍飛行基準局(アンダーソン基地)により行われた。航空管制評価プログラムに基づくもの。

「星条旗」紙への374作戦支援飛行隊のSean B. Copeland少佐によると、916項目をチェック。基地司令部は特別項目について返答せず。通常のチェックは、基地の航路運行計画、鳥の衝突被害抑止計画、管制塔の航空機分離基準、などだ(基地のニュースレポートによる)。「我々の仕事で何か不都合があれば、無数の声明、数百万ドルの設備や資産が危機にさらされる」Copeland。

(3)部隊の再編−−2010年まで

08年4月21日より、横田基地の374空輸航空団の374任務支援群と374業務群が(www.374th-services.org/page.php--x)統合へ。

(第961航空管制飛行隊 961st Airborne Air Control Squadron 961AACS〔ZZ〕) -----「嘉手納にならって返還の検討を」と言うときに、これだけの金額を投入する。多くのテナントの再編成・組織いじりは分かるとしても。アエロクラブや「便利な乗り込み」ほど熱意はない?

(4)海外への展開に

国内の軍事空域での訓練は、米日両空軍の共同作戦準備となり海外への展開につながる。 (Eielson空軍基地発)2007年7月12-27日、アラスカの、米国最大の演習場Pacific Alaskan Range Complex(PARC)で行われた多国籍(米、モンゴル、スペイン、泰、トルコ)の演習に空自F15−六機が百里から参加した。「航空自衛隊にとって、飛行中隊規模の敵軍との訓練は初めて」(田中Kyuuichiro大佐)。日本では毎年、米空軍から空中給油を受けて演習をしているが、多国間の演習ははるかに少ない。日本は加州と同規模だが、島国で、空域の圧倒的部分は水上にある。「PARCでの訓練への空自の参加は、進行中の今日の紛争の条件に見合った訓練場での演習を可能としている」(田中)

5. 終わりに

「基地がある・見える」から「基地がなく・基地が見えない」地域をふくむ取り組みへ

石原「対米批判」を「いい!」という「属国批判」グループや安全、環境重視派との連携

洋上の事故への国民の反発(安保絶対化の失速)を、再編阻止・地位協定改定へ

(1)各界との連携で地位協定と関連合意に焦点を。地位協定の改定の具体化を。

14都道県「渉外知事会」や市町村、労働団体や航空界と連携し、安全・環境・人権などへの従来の被害は救済し、今後防止させる措置を。市民の安全--1億人の航空旅行者の安全保障を。

(2)横田空域の2割削減にごまかされず、空域の国土交通省航空管制局への移管を貫く。

--自衛隊への管制権移管は空域を温存し、基地恒久化・再編強化を助け安全に逆行するだけ。

(3)西太平洋空母6隻体制---日本の(1.5〜)2隻体制“岩国と佐世保がリンク”

水域・空域が調整対象である以上、再編との戦いで徹底的に重視し明らかにする必要がある。

(4)国際的協力。諸外国の旅行者・航空業者も不利益を蒙っている。広く訴え、国際的圧力を加える。国際的圧力(ICAO=国際民間航空機関)を使う。・独、韓(基地、地位協定の取組)から学ぶ。横田訴訟弁護団の訪米。厚木の第4次訴訟。

(5)お金「思いやり5兆円」。2割削減で燃料109億円(09)。水域、空域、騒音、グアムでは?--県民、市民一人当たり--町田は6兆円だと市で200億円。市民一人5万円。

(補足の補足)

「地位協定」に切り込む足場を

日本平和委員会の外務省交渉

日本平和委員会の追及(2月29日)に、外務省外務省北米局・伊澤修日米地位協定室長が、イラクでの自衛隊地位協定締結が、日米地位協定の改訂をより困難にさせている、という趣旨の答弁をした。

伊澤氏は、「韓国などで改定されたといっても日本の地位協定と運用改善の方が進んだ内容になっている。改定は手続きに時間がかかり、運用改善の方が実効ある成果を生むことができる。私たちは地位協定を守ろうとしているのではない。国民を守るために運用改善の方がいいと考えている」などと発言。日米地位協定第17条(刑事裁判権に関する規定)を変えない理由の1つとして、イラクに派遣されている自衛隊も現地で地位協定を結び、自衛隊に関わる裁判権すべてを日本側が有するとしており、もし日米地位協定17条を変えれば、海外展開する自衛隊の地位へも影響を与えることを考慮していることを明らかにしました。

千坂が「ということは、日米地位協定を変えないのは、自衛隊の海外派兵で、自衛隊が米軍のような地位を海外でも保証されることを、一つの理由にしているということですか?」と指摘すると、「それも一つの考慮の対象となっている」ことを認めました。千坂は、「これは、自衛隊が海外派兵をすすめるために、日本国民に被害を与える要因になっている日米地位協定を変えることをやらない」と反論。(以下、略)





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