米民間人の前では
「第7艦隊は日本防衛のため」
というセリフなど一言もない


米国防総省のdefense link/mil/news/
2004年9月の項に、
アメリカン・フォーシズ・プレス・サービスのダナ・マイルズ氏による
JCOC訪問者が作業中の前進配備の海軍を視察、と題した記事がある。

http://www.defenselink.mil/news/Sep2004/n09152004_2004091502.html

 この、横須賀発の記事は、横須賀を母港とする駆逐艦.カーチス・ウィルバーに米国の民間人ツアーが搭乗し、艦の中枢部分を見ての感想をふくむ、2004年9月15日のもの。
 ハワイ沖の米原潜への民間人搭乗と運転によるえひめ丸沈没事件以降も、こうした民間ツアーが続けられていた。横須賀を母港とする米艦船でも、日本人をふくむ民間人の搭乗が報じられていた。

 さて、これは自国の民間人相手のツアー報告だが、在日米軍は日本の防衛のため存在する、という日本政府の説明と全く逆の説明が、遠慮なく登場しているという点で興味深い。

「米国中からの民間指導者が本日、巨大な太平洋地域すべてにおける脅威に即時対応しうる、前進配備の海軍力を直にながめやった。」「一週間の旅で、太平洋中の陸海空軍海兵隊および沿岸警備隊の行動をつぶさに見た」

この制度は、「1948年に当時のフォーステル国防長官によって始められたJCOC、合同民間オリエンテーション会議は、企業、市民、大学、および地方政府の有力者、民間のオピニオンリーダーたちによるもの。」
民間指導者に、軍隊への理解を深めていただき、予算も通りやすくしよう、という制度らしい。
 韓国の次にやってきた日本で横須賀と厚木の両基地で二日間すごした。当地に前進配備された第7艦隊の2隻の軍艦を見学し、米国の海軍の技術を学び、それを運転する兵士にあうため、だそうだ。

 一行の滞在日時および場所は次の通り。
2004年9月11日に出発、同日および翌12日にハワイのホノルル
13日、14日、韓国のオサン基地に。
15、16の両日、日本の厚木と横須賀
16日、シンガポール、17日グアムのアンダーソン空軍基地、
そして18日に再度ホノルルに立ち寄った。

(以下大意。例によって翻訳のまずさはお許しを)

「今日、横須賀の駆逐艦.カーチス・ウィルバー、同じくクッシングをツアーした。
ウィルバーでは、艦隊給油や艦砲射撃のシミュレーションをみて、ガスタービンエンジン4基、ガスタービン発電3基がある、“本艦の命と力”ともいうべきengineering department機関?部門の中央制御システムcentral control system を視察した。
次に、戦闘情報センターに行く。艦の長距離探索・弾道弾ミサイル追跡能力を持つセンターだ。

『これこそが、我々がなぜここに配置されているか物語っています』とJ.T.Lauer艦長commanding officerは語る。「もし合衆国に対して使われれば、9/11がささいなことに見えるほどの災難になるだろう」と。

 クッシングに移る。建造25年のこの艦は来年退役する。SH−60Bシーホークヘリの行動をみた。

 視察者は同艦の乗員に最近の南西アジアへの展開について尋ねた。アラビア海と北アラビア湾で海上封鎖と警備に従事したところだ。

 Steve Muclow commanding officer指揮官は、
「日本に前進配備された艦船を南西アジアでの作戦支援のために使うことは、『米国の安全の為に極めて重要な』前進配備された海軍戦力構想の成功の証しだ」、とのべた。
 彼はまた、「我々はアジア地域でのいかなる事態にも極めて迅速に対応できる」。

 ウィルバーのCommand Master Chief司令統括官? Petty Officer Buck Bailey下士官は、「民間指導者らが出かけてきて我々が何をやっているか見たり、我々が議会から得ている手段を、我々がなしうること、やらねばならないことを保証するため、どのように活用しているか理解したりするのは重要なことだ。」と語った。
 Tampa大学病院の心臓(病)学学部理事は、一行の視察を、「少し仰天するようなものだ」とのべ、とりわけウィルバーのミサイル防衛システムに感動させられた、と語った。

Massachusetts副知事 Lt. Gov. Kerry Healeyは、--最近の米国の弾道ミサイル禁止条約からの脱退によってのみ可能だった--同艦の到来する弾道ミサイルの迎撃能力を知って興奮を覚えた、とのべた。わが国の多くの人は、わが国が自らを(弾道ミサイルの)攻撃から防御できる能力を実際に増強したことなんてしらないわよ、と彼女は語った。

しかし MichiganのHandleman Filmworks会長の Philip Handlemanは、アメリカ社会の価値を守るため自らの命を捧げる素晴らしい若い兵士らに感動した、と言った。

 戦争に面したアメリカにとって、我々は全員、我が軍隊を支持しなくてはならない、と会長はのべた。(以上)

 添付写真のキャプション「誘導ミサイル駆逐艦カーチス・ウィルバーに装備した弾道ミサイル防衛能力を学ぶJCOCの参加者。9月15日日本の横須賀で。」

 ハワイ沖では民間人を狭い司令室に招き入れ、監視を怠り、日本船に激突させ、太平洋に若き命を失わせた、その反省も全くないまま、こうして日本の領土・領海たる第七艦隊の母港で「民間視察」を続ける。

 議会対策に有利だとか、「我々は全員、我が軍隊を支持しなくてはならない」とか、このツアーのねらい、したがってまた彼らに理解させるべき第七艦隊の任務とは、
「わが国が自らを(弾道ミサイルの)攻撃から防御できる能力」であり、
それはまた、
『これこそが、我々がなぜここに配置されているか物語ってい』るのであり、
まさしく
「アメリカ社会の価値を守る」目的以外のなにものでもない。

実に、「日本に前進配備された艦船を南西アジアでの作戦支援のために使うことは、『米国の安全の為に極めて重要な』前進配備された海軍戦力構想の成功の証しだ」。

 JCOCツアー御一行は、こうして本音を腹蔵なく語ったのである。

 日本人の民間ゲストを乗船させた場合、米軍士官らは「これらの装置は日本防衛のための世界最強の抑止力デース」と言うのだろうか。




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