米軍基地に関する「日本環境管理基準」に関する質問主意書

米軍基地に関する「日本環境管理基準」に関する質問主意書
2002(平成十四)年七月十五日提出
質問第一三五号
米軍基地に関する「日本環境管理基準」に関する質問主意書
提出者  原 陽子(社会民主党)
答弁書は2002(平成十四)年九月十三日

 日米が二〇〇〇年九月十一日に合意した「環境原則に関する共同発表」では、「環境保護及び安全のための在日米軍による取り組みは、日米の関連法令のうちより厳しい基準を選択するとの基本的考えの下で作成される日本環境管理基準(以下「JEGS」)に従って行われる。その結果、在日米軍の環境基準は、一般的に、日本の関連法令上の基準を満たし又は上回るものとなる」とされた。しかし、国内で実際に基地を抱えている自治体には、それ以上の詳細が知らされていない。
 地方自治体は、地方自治法第一条の二で、「住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う」こととされているが、基地に関しては、JEGSの詳細を知らずに役割を果たすことは困難である。遺憾なくその役割を果たしてもらうため、以下の点について明らかにされたい。

一 JEGSはすでに作成されているか。
二 「本国政府及び米国政府は、JEGSを見直し、二年ごとに更新するための協力を強化する。」とあるが、次の更新はいつか。
(答弁書)
一及び二について
 御指摘の「日本環境管理基準」(以下「JEGS」という。)は、我が国に駐留するアメリカ合衆国軍隊(以下「合衆国軍隊」という。)により平成七年一月に作成されたと承知している。
 その後、平成十二年九月の日米安全保障協議委員会において策定された「環境原則に関する共同発表」において、JEGSを見直し、二年ごとに更新するための協力を強化することとされたことを受けて、政府及びアメリカ合衆国政府(以下「合衆国政府」という。)(以下「日米両政府」と総称する。)は、平成十三年八月に日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第二十五条第一項に基づく合同委員会の下にある環境分科委員会(以下「環境分科委員会」という。)に環境管理基準作業部会(以下「JEGS作業部会」という。)を設置し、JEGS作業部会においてJEGSの更新のための協力を行ってきたところであり、現行のJEGSは、平成十四年六月に更新されたと承知している。

 JEGSの次の具体的な更新の時期は合衆国軍隊が決定するものであるが、いずれにせよ、政府としては、今後ともJEGS作業部会等を通じてJEGSの更新のための合衆国政府との協力を強化してまいりたい。

三 平成十三年七月十三日に、神奈川県基地関係県市連絡協議会は、「平成十四年度基地問題に関する要望」の一つとして、JEGSの訳文及び解説書の作成・公表を要望した。これに関しては未だ何も回答がないというが、この要望は、日米地位協定に基づく日米合同委員会の環境分科会の議長を務める環境省環境管理局総務課長に届いているか。

四 届いているとしたら、なぜ、回答がないのか。届いていないとすれば、その責任は誰にあるか。
(答弁書)
三、四及び六について
 御指摘の神奈川県基地関係県市連絡協議会の「平成十四年度基地問題に関する要望」については、平成十三年七月十三日に同協議会から同要望を受け取った環境省環境管理局総務課職員が、同日、環境分科委員会の日本側議長を務める環境省環境管理局総務課長に届けている。
 また、同職員は、同協議会から要望を受けた際、JEGSは合衆国軍隊が作成しているものであり、訳文は作成されていない旨説明している。
 なお、JEGSは合衆国軍隊が作成しているものであることから、その訳文及び解説書を作成し、公表するか否かについては、第一義的には合衆国軍隊が判断することであると考える。

五 日本政府側が、この要望について、年四回定期的に開催されている日米合同委員会の環境分科会で議題にしたことはあるか。あればその結果はどうだったか。議題にしたことがないのであれば、それは何故か。また、今後、議題にするつもりはあるか。
(答弁書)
五について
 環境分科委員会の議事録は日米両政府の合意なしには公表しないこととされており、環境分科委員会においてどのような事項が議題とされたかについては、これを公にすることにより、合衆国政府との信頼関係が損なわれる等のおそれがあるため、答弁を差し控えたい。

六 JEGSの訳文および解説書の作成・公表が、地方自治体に対してなされるのは当然だと考えるがどうか。
(答弁書)

三、四及び六について
 御指摘の神奈川県基地関係県市連絡協議会の「平成十四年度基地問題に関する要望」については、平成十三年七月十三日に同協議会から同要望を受け取った環境省環境管理局総務課職員が、同日、環境分科委員会の日本側議長を務める環境省環境管理局総務課長に届けている。
 また、同職員は、同協議会から要望を受けた際、JEGSは合衆国軍隊が作成しているものであり、訳文は作成されていない旨説明している。
 なお、JEGSは合衆国軍隊が作成しているものであることから、その訳文及び解説書を作成し、公表するか否かについては、第一義的には合衆国軍隊が判断することであると考える。

七 大気に関しては、どのような基準が選択されたか。
(答弁書)
七及び十四について
 JEGSには、我が国の大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)を踏まえボイラー、ディーゼル発電機、廃棄物焼却炉等の施設についてばい煙に係る排出基準が、また、ダイオキシン類対策特別措置法(平成十一年法律第百五号)を踏まえ廃棄物焼却炉についてダイオキシン類に係る大気排出基準が設定されているほか、合衆国軍隊の海外の施設における環境管理に関する合衆国国防総省指令四七一五・五及び合衆国国防総省指針四七一五・五‐G(以下「環境管理指令等」という。)に基づき、ボイラー、廃棄物焼却炉及び有機塩素系溶剤を用いる洗浄装置について大気環境の保全に配慮した設計基準等が設定されていると承知している。

八 悪臭に関しては、どのような基準が選択されたか。

九 騒音に関しては、どのような基準が選択されたか。

十 振動に関しては、どのような基準が選択されたか。
(答弁書)
八から十までについて
 JEGSには、騒音、振動及び悪臭に係る基準は設定されていないと承知している。政府としては、合衆国軍隊により発生した騒音、振動又は悪臭が合衆国軍隊の施設及び区域以外の地域に影響を及ぼす場合には、必要に応じ環境分科委員会等の枠組みを通じて適切に対処してまいりたい。

十一 水質に関しては、どのような基準が選択されたか。
(答弁書)
十一について
 JEGSには、我が国の水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)及び下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)を踏まえ、生活排水及び工程排水の公共用水域への排出並びにこれらの下水道への排出に係る基準が設定されているほか、環境管理指令等に基づき、雨水排水が汚染されるのを防止するための施設等の管理に係る基準等が設定されていると承知している。

十二 土壌に関しては、どのような基準が選択されたか。

(答弁書)十二について
 JEGSには、環境管理指令等に基づき、鉛及びポリ塩化ビフェニルによる土壌汚染に係る基準が設定されていると承知している。なお、平成十四年五月に土壌汚染対策法(平成十四年法律第五十三号)が公布されており、政府としては、今後、JEGS作業部会等を通じて、同法における基準がJEGSに適切に反映されるよう、合衆国軍隊に働き掛けてまいりたい。

十三 地下水に関しては、どのような基準が選択されたか。
(答弁書)十三について
 JEGSには、環境管理指令等に基づき、飲料水に影響を与える物質の地下注入及び地下タンクからの漏出検出に係る基準等が設定されていると承知している。

十四 ダイオキシン類に関しては、どのような基準が選択されたか。
(答弁書)
七及び十四について
 JEGSには、我が国の大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)を踏まえボイラー、ディーゼル発電機、廃棄物焼却炉等の施設についてばい煙に係る排出基準が、また、ダイオキシン類対策特別措置法(平成十一年法律第百五号)を踏まえ廃棄物焼却炉についてダイオキシン類に係る大気排出基準が設定されているほか、合衆国軍隊の海外の施設における環境管理に関する合衆国国防総省指令四七一五・五及び合衆国国防総省指針四七一五・五‐G(以下「環境管理指令等」という。)に基づき、ボイラー、廃棄物焼却炉及び有機塩素系溶剤を用いる洗浄装置について大気環境の保全に配慮した設計基準等が設定されていると承知している。

十五 その他、設定された基準はあるか。
(答弁書)十五について
 JEGSには、我が国の法令及び環境管理指令等を踏まえ、オゾン層破壊物質の排出抑制に係る基準、飲料水の水質基準、有害物質の管理に係る基準、廃棄物の管理に係る基準、石油類の管理に係る基準、絶滅の危機にある種の管理に係る基準、ポリ塩化ビフェニルの管理に係る基準、地下貯蔵タンクの管理に係る基準等が設定されていると承知している。
(以上)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b154135.htm




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