核事故対処能力リスト

上田耕一郎議員の「核事故対処能力リスト」追及
参-予算委員会-19号 平成02年06月06日

○上田耕一郎君 私は、今、日本の政治が問われている問題たくさんありますけれども、きょうは時間も限られておりますので二つの問題、一つは核持ち込みの疑惑、もう一つは深谷郵政大臣の問題を取り上げたいと思います。
 首都東京の横田基地で五月二十二日から延べ十一日間、空母ミッドウェーの艦載機E2Cの夜間離着陸訓練が行われました。私も現地に行ったんですが、基地それから公団の羽村団地それから福生市の市役所の屋上で、いやもう大変なもので、夜七時から九時まで何と二機が一分半置きにもう最高八十六ホンで飛ぶんですからいやもう本当驚くべきもので、周辺住民はもとより福生の市長さんも訓練中止を要求している。平和憲法を持つ日本で何でまるで戦場のようなこういう訓練を外務省は承認しているのか、はっきりお答えいただきたいと思います。

○政府委員(松浦晃一郎君) 先生御承知のように、在日米軍は安保条約及び地位協定に基づきまして日本に駐留しておりまして、その一環として訓練を行うことが認められております。

○上田耕一郎君 日本の政府の答弁とは思えない。
 この横田基地はさらに核持ち込みの疑惑がこれまでも何回も指摘されてきたところです。核事故の演習、ブロークンアロー、これも目撃されました。核兵器の貯蔵用の1の番号のある貯蔵庫もあって、朝日新聞社が問い合わせたところ、米軍は八一年六月十九日付、有事に備えて核兵器の貯蔵場所を確保していることはあり得ると、こう平然と答弁してきているところです。
 資料をお配りいたしました。これは私どもアメリカの情報公開法に基づいて入手したもので、昨年の八九年度のアメリカ国防総省とアメリカエネルギー省が合同でつくった文書で、核事故対処能力の全世界のリストです。お配りしたのはその一部です。これは全世界の基地、艦船、四百八十六カ所をリストアップしてありまして、そこにどういう部隊があってどういう核事故対処能力があるか全部リストが出ている。その中で、日本では三沢、横田、横須賀、岩国二カ所、嘉手納二カ所で五基地、七カ所に核事故の際に出るアルファ線、ベータ線、ガンマ線の検知器、その数、それから部隊名を明記してあります。横田は何と検知器合計八十六あります。核事故があることを前提にして八十六も検知器を持っている。これは外務省どうですか。これは横田は核の一時寄港、一時通過の基地になっている、あるいは現にあるという新たな証拠ではありませんか。

○政府委員(松浦晃一郎君) 先生が今御提出になりました八九年版の資料はちょうど私も今拝見したばかりでございますので、これに基づいてちょっと御答弁できかねますが、私ども八七年版に関しましては一部持っておりまして、これに関しまして私どもが了解しておることを御説明させていただきたいと思います。
 この文書は、先生も御指摘になりましたけれども、アメリカの米軍施設に対しましてクエスチョネアを出しましてその回答を集大成したものでございまして、これはあくまでも核関連の事故が発生した場合にこれに対処するための装備等の有無について把握するためというものでございまして、これらのリストに掲載されている施設が核を保有しているか否かの観点からそもそも作成されたものではないということを念のため申し上げたいと思います。

○上田耕一郎君 核がなけりゃ事故なんか起きないんだから。核があるかまた必ずあり得るというのでこれだけ置いているんですからね。
 防衛庁、自衛隊はアルファ線の検知器を持っていますか。

○政府委員(鈴木輝雄君) お答えいたします。
 自衛隊は専らアルファ線だけを検知するような目的とした器材はございませんが、陸上自衛隊が糧食の安全を確保する意味で線量率計というようなものを持っております。もちろんベータ線、ガンマ線も一緒に測定できる装置でございます。

○上田耕一郎君 陸上自衛隊。海上自衛隊、航空自衛隊はどうですか。

○政府委員(鈴木輝雄君) 海上自衛隊と航空自衛隊につきましては、アルファ線を検知できる器材は持っておりません。

○上田耕一郎君 私はこの検知器の中で特にアルファ線、これを非常に重視する。というのは、ベータ線は電子線でガンマ線は電磁波です。ところが、これと違ってアルファ線はヘリウムの原子核だ。飛距離が極めて短い、大気圧中で二・五センチなんです。これは核爆発のときにはベータ線、ガンマ線は出ますけれども、そういうときにはほとんど出ないんです。だから、核事故のときに出るんです。
 なぜ米軍がこういうものを持っているかといいますと、プルトニウムを組み立てるわけだ。間違って組み立てたり安全装置が外れると、核兵器からアルファ線が出るんですよ。そのためにこの検知器を持っているんです。自衛隊は核兵器を持っていないから、アルファ線は要らぬのです。米軍は核兵器があるから、こういうアルファ線の検知器がどうしても必要なんです。どうですか、外務省。

○政府委員(松浦晃一郎君) 先ほど申し上げたとおりでございますけれども、今回の米側の文書、八九年版は私どもまだ十分研究する時間的余裕がございませんので、八七年版について先ほど来申し上げているわけでございますけれども、核を保有しているかどうかということでこういう文書をつくったわけじゃございませんで、核事故に対応する施設等があるかどうかということでございまして、先ほど申し上げたことの繰り返しでございますけれども、一般論で申し上げれば、この核事故に対応する能力を有する部隊が存在していることと核兵器の存在とは全く別の問題である、こういうふうに考えております。
 いずれにいたしましても、累次国会の場で御説明させていただいておりますが、政府といたしましては、核持ち込みについては事前協議が行われない以上、米国による核持ち込みがないことについては何らの疑いも持っておりません。

○上田耕一郎君 首相、だから核事故の能力の部隊だと言うのでしょう。検知器だと言うのでしょう。日本は非核三原則、持ち込まないんだからこんなもの要らないんですよ。アメリカに対して、こういう部隊はまたこういう検知器、これはもう撤去しろということを申し込んだらどうですか。どうぞ。――いや、あなたの責任、あなたの。いや、局長の問題じゃないんだよ。日本政府の責任なんだから。

○政府委員(松浦晃一郎君) 恐縮ですけれども、繰り返しでございますけれども、核事故に対応をする能力を有する部隊の存在と核兵器の存在というのは全く別の問題でございますので、いずれにいたしましても、先ほど申し上げたように、在日米軍は安保条約及び地位協定に基づいて駐留しておりますので、こういう核事故に対応する能力を有する部隊が存在するということと核兵器の存在とは峻別して考える必要がございまして、先ほど申し上げた繰り返しでございますけれども、核持ち込みにつきましては、事前協議が行われない以上、米国による核持ち込みがないということに関しましては何らの疑いを持っておりません。

○上田耕一郎君 じゃ外務大臣、こういう部隊へこういう検知器は要らないと、日本は非核三原則なんだから。どうですか、繰り返しでない答弁。

○国務大臣(中山太郎君) 日本は非核三原則の国民的なコンセンサスができております。そういう意味で私どもは日本には核はない、こういうふうに信じております。

○上田耕一郎君 局長、八七年の文書で言いましたが、八七年文書を使って分析したイギリスのショーン・グレゴリー、専門家の著書がある。これで詳細に分析されている問題なんですね。ああいうことを平然と言っておりますけれども、水爆についてもどうもある疑惑が強いですよ。この資料に出ておりますけれども、横須賀、岩国、嘉手納、空母ミッドウェー、水爆用のトリチウムの検知器も持っているんです。水爆というのは原料がトリチウムと重水素化リチウムで、トリチウムの半減期はわずか十年。十年なんで使っているうちにだんだん減りますから、危なくなるとかえなきゃいかぬ。しょっちゅうどのくらい減ったかをこのトリチウムの検知器で調べなきゃいけない。それが横須賀、岩国、嘉手納にある。ミッドウェーには六個も積んでいるんですよ。水爆が日本に持ち込まれているという重大な疑惑がある。放置できないじゃありませんか。
 首相どうですか、こういう問題、今度はあなた。日本国民に責任を持つんなら、こういう新たな疑惑が出ているとき、アメリカ政府に対して少なくともこういうものはもう日本には要らないと、あるいは調査するという答弁をあなたはできますか。すべきだと思います。

○政府委員(松浦晃一郎君) 恐縮でございますけれども、もう一度御答弁させていただきます。
 八七年に、三年前にもこの問題に関しましていろいろ国会の場で御指摘がございまして、そのとき引用されましたのが八四年のアメリカの核安全に関する文書でございますし、それから八二年の米太平洋艦隊司令官の指令文書でございます。当時も同じような御指摘を賜ったわけでございますけれども、その当時外務大臣及び北米局長からも、今回私が申し上げていることと同じことでございますけれども、米軍が核兵器の事故に際してそれの処理の任務を与えられているということと、核兵器が現にそこに存在するということは別の問題であるということを御説明させていただきました。
 これは先生重々御承知のことでございますけれども、装備における重要な変更というのは事前協議の対象になっておりまして、それはあくまでも核弾頭及び中長距離ミサイルの持ち込み並びにそれらの基地の建設でございまして、ここで対象になっておりますのは今先生が御指摘になっているような部隊ではございませんので私どもは別の問題として考えて、先生が御指摘のように部隊の撤退を申し入れる必要はないと考えております。

○上田耕一郎君 これだけ重大な問題なんですから、総理答えてください。

○国務大臣(海部俊樹君) 今詳しく御説明を申し上げましたとおり、日米安保条約上、艦船によるものを含めて核の持ち込みが行われる場合はすべて事前協議の対象となり、核持ち込みについての事前協議が行われる場合は政府としては常にこれは拒否をする、こういう方針でありますので、アメリカ政府は核持ち込み問題に対する我が国の立場及び関心を十二分に理解しており、政府としては、核持ち込みの事前協議が行われない以上、米国による核持ち込みがないことについては何らの疑いも有していないということを繰り返し答弁してきたところでありますし、またその後の今具体にお示しの問題については、北米局長がお答えしましたとおりでございます。

○上田耕一郎君 核兵器を持ち込めないはずの日本にこれだけの態勢をとって核事故の対処能力を米軍が常時やっているということは、既に持ち込まれているかまた持ち込むか、それを前提としていることで、政府はそういう国民の疑惑に唯一の被爆国であるにもかかわらず何らこたえようとしておりません。我々は国権の最高機関の国会が国政調査権を発動しなければこの問題は解決できない、国民のためにそういう責任が国会にあることを指摘して、次の問題に移ります。

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